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☆★朋★☆の”徒然苺”
ワガママ・キママ・オモウガママに、アリノママ・アルガママ・ソノママの☆★朋★☆の日常を綴ります
『出張戦士 ネジシム 7.』
~偽造と欺瞞の誇り~

「はぁ~、何なんだこの量…いくらネジを締めても、いつまで経っても減らないじゃないか…どれだけ締めても減った気すらしない…それどころかソラに開いた亀裂がどんどん広がっていく…。全く終わりが見えないじゃないか。…はぁ~、此処に着いてどのくらい経った?どのくらい締めた?」

「少し休憩にしよう!来いよ!」

作業場の中では時間の感覚がなくなる…まして、こんなにも大量に積まれた仕事があればなおさらだ。

「諦めろAッキー、此処では考えたらダメなんだ、全ての計算は無意味、ただ黙々と数をこなす事だけに集中するんだ。そして、幾つ進んだのか?幾つ終わらせたのか?後、幾つあるのか?などとは絶対に考えるなよ!!心が折れるからな…この国では全てにおいてそうだ!!それから、ちょっとミスをおかしても決して下手には出るなよ、絶えず逆ギレしてるくらいでいるといい。」

「は、はぁ…。」

此処、中59共和国は歴々で広げた広大な支配地の中、最近の高度成長の表向きとは裏腹に未だ根強く残る旧思想と、国民の生活落差、そして何より壮大な裏の顔を持った国家である。

「そう言えば、もうすぐこの国では大きな祭りごとが行われるんですよね?なんかこの辺りは全然、そんな様子もないですけど…。」

「そんなもん、一握りの上層部の欺瞞で勝手に盛り上がっているだけなのさ…。見てみろよ、華やかに見せているのはほんの一部、いつだってシワ寄せは下層階級の市民にくるってもんだ。人、街、全て…、この国の現状なんてこんなもんなのさ…。」

「ふぅ~ん…。まっ、どのみち俺は興味もないんだけどね。でもまぁ、そこまで辺境の地でもないし、そこそこ栄えているみたいだからナメーリカ興国の時程不自由はなさそうじゃないか?」

「Aッキー、騙されるなよ。此処では全てフェイク!!真実なんて無いに等しいと思っていろ!!ホラ、見てみろよ、(TVの画面を指す)今あそこに映っている祭り会場…あの周りの景色をどう思う?」

「えっ?あぁ、いかにも近代都市と言うか…立派で派手な建物が多いッスね…。」

「ふっ…、もう既に騙されてるじゃないか。あの中央のメインブロック一角はその通りさ、でもその後ろ…(画面を指しながら)ここから後ろの街、如何にもらしく見えるがな、全部偽物だぜ。」

「は?」

「(笑)あれは絵だ。一本裏の通りに入ると、ガレキの山やらなんやらの前にハリウッド顔負けのセットみたいに、板に描いた街並みを張り付けて作っているのさ。」

「え゛ぇぇ~(笑)ある意味スゲェーな!?」

「感心してる場合か!?油断するなよ。心は閉ざせ!飲み込まれるな!!」

まだまだ、偽装に満ちたこの国で、Aッキーは更なる災難に襲われるとは思っていなかった…。

「O2Qに支配されたナメーリカ興国よりも食べ物はましみたいだな、種類も有るし、ビールだってすんなり買える、チューKAの方が断然、口に合うよ。
……ケド……ん…なんだ?は、腹が痛い…。」

アウトだ…。

つづく
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『出張戦士 ネジシム 6.』
~量産型秘密主義国家~
激しい稲光と雷鳴轟く空、それは宇宙(そら)に生じる亀裂と歪みを投影する様だ…。 世界…いや、宇宙規模で進み続けるズレを締め直すべく“世界のネジシム”ことAッキーは、一階級特進して初の任務に向かっていた…。

「なんとか拒みたかったんだけどなぁ…中間管理職…上に逆らうのはやっぱ無理だったか。」
毎度の事ながら、Aッキーは宇宙の任務に向かうのは乗り気になれないでいる。

「まぁ…今回は比較的に近場だし、O2Q興国の辺境の地より栄えた所みたいだからな。」

「Aッキー、そろそろだぞ。」

「あっ!はっ、はい。」

辺境の地ではないとの情報は得ているものの、色々と良からぬ噂の多い地であるのも確かだ。

「なっ、なんだ!うっ…!?」
物凄い熱気と不快感に包まれ、何となく嫌な予感がした。
気温40゜C、湿度90%…不愉快極まりない…。

「気持ちわりぃ…最悪だよ。」

「おい、おい、オマエは初めてだろ?こっちはこんな所に何度も来させられているんだぞ!!それになぁ~Aッキー、オマエが呼ばれるって事はなぁ、それだけの事が起きてるって事でもあるんだぞ!!」

「そっ、そんな…買い被り過ぎですよ…。」

「何言ってるんだ、特進したんだろ?そんな甘い事も、そうそう自由も利かなくなってくるんだぞ!!」

「 …。」

「とりあえず現場に移動するぞ、中に入ればこの暑さは免れるしな。」

いつも通り憂鬱な気持ちのまま現場へと向かう

「ん…?あっ!?あれは…。Kネルスと同じ…?こんな所にも?なんなんだろう、あの印…。」

「Aッキー、此処だぞ。」

「でかっっ!ひろっっ!なんだこの量産!!」

「早く帰りたいならさっさと片付けるんだな。それから、此処から無断で出たりするな、夜は絶対に外出禁止だ!!」

「はぁっっ?なんで?」

「無事に帰りたいなら黙って言う事を聞くんだな!!それが身の為ってもんだ。夜、一人で外になんか出てみろ、何が起きても知らんからなっ!!」

「…やっぱ、最悪だぁ…。」
つづく